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遺留分を侵害されてしまったら?
遺言によって、まったく財産が手元に入らない・・・そんな場合には、遺留分を侵害されている可能性があります。
今回は、遺留分について解説します。
遺留分とは?
「遺留分制度とは、相続の場合に、被相続人が相続人のためにかならず相続財産の一定部分をなんらかの方法で保証する制度」(新版注釈民法(28)436P)を言います。
民法1042条には遺留分の帰属と割合について規定があり
第1項「兄弟姉妹以外の相続人は(中略)
1号 直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
2号 前号に掲げる場合以外の場合 2分の1
とされています。
遺留分について
遺言などによって、自身の遺留分が侵害されていた場合、他の相続人に対して侵害額に相当する金銭を支払うように請求することが出来ます。
民法1046条1項では「遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(中略)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
とされているのです。
平成30年の法改正前は、遺留分の権利行使をすると物権的効力が生じ不動産など共有状態が生ずるとされていたのですが、そのことが新たな紛争を生じさせる弊害が大きかったので、金銭債権化したものです。
遺留分侵害額請求権の時効
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使をしないときは、時効により消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする(民法1048条)。とされています。
ご自身の遺留分を侵害する遺言があることが判明した場合には、1年以内に手立てを講じなければ権利行使できなくなってしまうので、注意が必要です。
遺留分侵害額請求の方法
相続人同士の話し合いで解決出来ればもちろんそれが一番ですが、お互い感情的になってしまって話合いが上手く進まないケースもあります。
その場合には、弁護士に依頼して、交渉してもらい、交渉解決が難しければ、調停や訴訟での解決を検討する必要があります。
まとめ
今回は、遺留分を侵害されていた場合の対応方法について確認していきました。
遺留分が侵害されている場合には、遺留分侵害額請求によって侵害されている遺留分を返してもらうことができる可能性があります。
遺留分について侵害されている可能性がありお困りの場合には、弁護士への相談を検討してみてください。