企業がコンプライアンスに違反するリスクとは？

コンプライアンスとは、単なる法令順守よりも流動的で広い概念です。
法令の細かいところまで遵守することは大変なのですが、更に注意を払って行く必要があります。
今回は、コンプライアンス違反が発生した際のリスクについて解説していきたいと思います。

損害賠償責任のリスク～民事リスク～

コンプライアンス違反の内容によっては、取引先や顧客から、あるいは従業員から損害賠償責任を追及されるリスクがあります。
たとえば、情報漏洩などのコンプライアンス違反によって損害を加えた場合には、取引先や顧客などの相手方に対して損害賠償責任を負わなければなりません。
その際、賠償金額が経営に影響を及ぼすほど多額に及ぶ場合には、会社にとって大きな損失となり、倒産の可能性など会社の経営存続が危ぶまれることもあります。
また、民事訴訟対応のコスト（多大な労力や弁護士費用）が重くのしかかることは言うまでもありません。

行政処分のリスク～行政リスク～

コンプライアンス違反の内容によっては、行政処分や行政指導が行われる可能性があります。
たとえば、残業代の未払いなど労務管理に関するコンプライアンス違反が発覚すると、労働基準監督署により処分が行われる可能性があります。
また、下請け業者に対して十分な配慮を行わない場合、公正取引委員会による指導が行われる恐れがあります。
立ち入り調査などが行われ、違法行為が発覚すると是正勧告が行われます。
是正されなければ、次のより重い段階に進んで行ってしまうのです。
本来の会社経営に不測の悪影響を及ぼす可能性があります。

社会的信用を失うリスク～レピュテーションリスク～

コンプライアンス違反を起こすと、法令を遵守せず自社の利益を優先するというイメージが拡大し、社会的信用を失うリスクがあります。
一度失った信用は回復に時間を要し、ブランド力の低下から顧客離れが進むことで売り上げの減少を招き、経営状況の悪化につながる可能性があります。
たとえば、製造業の場合に品質不正が発覚した場合には、製品自体にネガティブな印象がついてしまう可能性があります。
また、コンプライアンス違反を起こした会社は、社会的信用が低下することで、採用活動にも影響がでることもあります。
優秀な人材の確保の足かせになってしまう可能性があります。
採用活動だけではなく、社会的信用を失っているような会社では働き続けたくないという考えにつながり、従業員の離職を招くリスクもあります。

まとめ

今回は、コンプライアンス違反が発生した際のリスクについて確認していきました。
一つの問題が会社経営を傾かせるほどの悪影響を及ぼすリスクがあります。
コンプライアンス違反が起こる前に未然に防ぐためにも、専門的な知識をもつ弁護士への相談を検討してみてください。